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tabaccosen

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○弁護宅訪問

■弁護士に呼ばれて自宅へ赴く。10数個の 3LDK賃貸マンションを併設している。裕福なかれは本業の弁護士事務所経営をしなくとも「家賃収入」だけで充分に生活以上のものを得られる。少なくともあくせく働くしか脳のない、私にはそう聞こえた。有名女子大卒の<才女>を妻とし、ふたりの子どもに恵まれた<家庭>とう訳だ。
■同行した有能な中国人エンジニアの「K」も、アルコールが相当に廻っていた。室内の装飾の「話」になる。弁護士は設計と施工一式を「T施工部」に任せたという話を自慢しはじめた。そうした業界では名が通り費用も高いことで知られる会社だ。かれの自慢の仕方には特徴がある。いやいや自慢などと言うものは大方似通ったつまらない形をしているのだ。
■書棚に並べられた日本文学の全集がそれらの(一切の)「空虚」を顕わにした。弁護士も才女もそれら全集を読んでいないのである。「学生時代」にも読んでない。怪訝な感じだけが私の脳髄から脳幹を経て刺激が走りはじめている。「なんだ、こいつら」だ。
■神田の古書店街なんかのパンフに記してあった。金持ちが「飾ると、立派に見える本」を探しに来るというのだ。箱入りの豪華本。できるなら、(重いから)中身はいらない。とまで言うのだという。(あっは。)「メッキ」が剥がれるなどというものではない。読みもせず、読んだこともない「全集」を、重々しく飾る。そうした「健全な神経」について行けない。それだけのことだ。あ~めん。


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